ボクの名前は岡崎伊織。神浜市立青葉学園に通う二年生だ。
趣味はゲームをすることと漫画・アニメを見ること。スポーツは苦手じゃないけど、あまり好きじゃない。
そんなボクが新学期早々、身の程知らずにも学園のアイドル・桐島美樹さんに一目惚れした。
玉砕覚悟で告白したところ、思いがけずOKの返事がもらえてボクは有頂天。
…ところが最近、どうにも桐島さんのノリが悪い。
そりゃ、恋愛経験豊富な桐島さんからみれば、ボクは物足りない面があるのかもしれないけど…。
「試しにSWしてみない?」
いくらなんでも、これは酷い!桐島さんの提案に、最初ボクは耳を疑ってしまった。
スワッピング。カップル同士のパートナーを交換してセックスを楽しむ行為だ。
そうは言っても、ボクに桐島さんを満足させる技量が足りないというのであれば、
桐島さんに嫌われたくないボクとしては、頑強に拒む口実が思い当たらない。
桐島さんがスワッピング相手に選んだのが、なんとボクの親友の鷹村勇輝だった。
知り合い同士の方がボクが畏縮しないで済むだろうという心遣いらしいけど、その人選もどうかと思う。
最初こそは戸惑いをみせた鷹村も、桐島さんの度重なる熱意に次第に興味を見せ始めた。
だけど、鷹村の付き合っている相手が佐倉翔子だと知っていたら、ボクは間違いなくこの話を拒んでいたに違いない。
だって翔子はボクの従兄妹にして幼馴染み、そしてボクの初めての相手だったんだ。あまりにも笑えない冗談じゃないか!
「これも社会勉強だから。」と屈託のない笑顔を見せる桐島さん。
…そうなのかなぁ?これを機会に桐島さんを満足させられるテクを磨けばいいんだろうけど、どうも釈然としないんだよな…。